中敷きがズレてくような日々

煩悩、戯言の半径30cm

THE YELLOW MONKEY 『Shine On』東京ドーム

THE YELLOW MONKEYの東京ドームでのライブに行った。

ファンクラブに入りながら観に行くのは5年ぶりとかだった。
吉井和哉の復活を観に行きたかった。

昨年、喉のがんを根治したという知らせとこのライブの話が発表された。
吉井和哉が休養に入る前の最後のライブはたまたま観に行っていたのでとても覚えている。

個人的に吉井のソロにはかなり救われた部分があると思っていて、この人が好きになった理由でもあり、イエローモンキーよりもソロをやるとなれば速攻飛びついてライブに行く感じ。
ライブを観れたのが地元山梨に来た2012年のツアーから3回とかなので聴きたい曲もまだ山ほどある。

程なくして2016年、イエローモンキー復活。
それはそれでめちゃくちゃにテンション上がって、そこからファンクラブに入ったままにしてる。
だがソロは定期的にはならなくなったので、やるタイミングでは駆けつけていた。

吉井のソロは人の惑いとかがそのまんま音楽に出ているのがめちゃくちゃ魅力的だ。

その喜んで観に行ってた吉井ソロの東京ドームシティーホールでのライブで、声が出ないことがしばしばあり、その1個前の吉井武道館もWOWOWで観ていたのだがここでも同じことが起こっていた。

これがまさかガンであるとは思わず。

あのライブから2年と4ヶ月が経っての今日の復活なのだが、この間に俺を形成する上で大事な1人、チバユウスケがおなじく食道ガンでこの世を去った。

俺の3大は甲本ヒロト&マーシーチバユウスケ吉井和哉

去年ってそのうち2人が死ぬ可能性もあったんだなぁとか思った。

チバが死んだだけでもほんといまだに信じられないくらいで、まだThe Birthdayのライブ予定がないのが信じられない。

それなのに吉井まで失ってたらほんと…。
自分はまだまだなーんも成しえてもないのに。ただただ夢も追わずにバイトしてるだけ。いや大きいことじゃなくても良いけど、にしてもまだなにも。


吉井和哉の人としての温かさが好きで、こっちはあんたの復活を観にきてるってのに、前回やったときはコロナ渦で声も出せなかったからって、いつも後半にやるバラ色の日々からライブを初めてお客さんにど頭から歌ってもらうなんて演出して。

しかもその後はRomantist Taste、Tacticsとわざわざお客さんと掛け合いが多い曲を畳み掛けてるところに自分のことよりまずお客さんのことが考えられていて、その優しさにグッと来てた。


中流れた映像で吉井のがんのレントゲンや、診察の様子、診察か手術後に車に飛び込んで来てグダっとおちこんでいる感じとか、術後の喉元が四角にほはは昨年の秋の段階では全然声が出てない感じとか。

そんな吐露のようなリアルな剥き出しな映像に「死ぬこと自体の怖さみたいなものはなくなってきて、いつかは亡くなるしって思ってたけど、終わらせ方がねぇ」というような吉井の独白とリンクさせての「人生の終わり」

涙が止まらなくなった。

どうやら調べたらライブでの披露は1999年ぶりと言う。
人生の終わりは子供の頃に面倒を見てくれていた自分の祖母が亡くなったときに作った曲なはず。
それが巡り巡って自分が死の淵に瀕したタイミングで向き合って歌う。
これは当時この曲を出してなかったら出来ない演出だし、この曲をバンドが爆売してる頃に出している意義。自然の成り行きの中での今への伏線。
常に自分に正直に音楽を作ってきている吉井和哉だから、こんなにストーリー性の高いバンドになるし、そのストーリーに乗っかっちゃうと応援したくなる。
その結果が未だに東京ドームをパンパンに出来る集客力なのだろう。

同じ喉のがんというのもあり、そのレントゲンとかを見たときは否が応でもチバのことを思い出したし、リンクさせた。
粘膜にがんがみたいな話してたな。チバなんてもっとレントゲン酷かったんだろな。

あー、ほんとに吉井は生きててよかったよ。
早期に見つかってよかったよ。

そんなことを心から思って、涙が止まらない。

あのタイミングでかつて一度だけ披露していたミッシェルの世界の終わりのカバーのYouTubeを公開したりしていた吉井。
自身もこういう思いをしながら、チバの一報を聞いた時にどう思ってたのだろう。またチバよりもう少し近くにいたであろう存在のBUCK-TICK櫻井が突然亡くなったことも。

ラストの曲の前に流れた新曲の中で
「ひと足先に旅立つ仲間 泣いてる暇は与えない」なんて歌詞が出てきて、やっぱこいつは剥き出しだなと思った。めちゃくちゃ好きだ。

3大のもう1人。ヒロトは先週観た時もぴんぴんだったけど、マーシーなんかは昨日紙飛行機のファンサで回転してたらギター弾きながら前から転けたみたいな話もあって、大丈夫かよ〜歳だなぁとも思ってた、いやそれめちゃくちゃお茶目だけども。

実はイエローモンキーの商売っぷりに少し心から楽しめずにいたりして、なかなか疎遠になったりもしてたけど、生きてるうちだわなんでも。観れるものは見れる時に観た方が良い。

この日、完全に時を同じくしてアラバキフェスではバースデーの3人がチバが死んでから初めて揃ってステージに立っていた。そこにはウエノコウジも。

そこに感慨深さをおきながらも。
ほんとなんでも生きてるうちだ。

ステージを去りたくなさそうにしばらく残ってたり、声もさすがに枯れ出してまだ絶対万全じゃなかったのに「アルバムが出るってことは」とツアーを何回かほのめかしたりしちゃう吉井和哉は自分の感情に嘘のつけない人間に見えてすごくよかった。

JAMでいつもはお客さんに投げるサビを1番は歌い切って、2番ではイヤモニを外して声を聞いてくれたりしたのもよかった。あと三国さんのキーボードで聴けたのも。

次はいつなのかはもう少しかかるかもしれないが、無理のない程度で頑張ってほしい。
俺もここから希望休も減らさなきゃならんからスケジュールの節制始めるけど、今度からはしっかり駆けつけるようにするわ。