中敷きがズレてくような日々

煩悩、戯言の半径30cm

友達の結婚式


友達の結婚式に行ってきて、彼はずっと憧れだと思った。
なんで結婚式の主役であんな仏頂面でいれるんだろう。いや楽しんでた感じも伝わるんだけども。

それでいておそらく誰も嫌な気にはさせてない。会話はしっかりとれる。
でも奥さんが友達と話し込みすぎてたら「長い」とだけ言って背中を叩いて次に行く。
普通もっとオブラートあるだろと思って見てて笑ってしまった。それと同時に「あぁ、こいつは自分の性格的なところは大きく変えずに結婚まで行ったんだな」となんだか感心と感動をしてしまった。

彼に憧れたのは異端のままトップに立てているところだった。
それをそのまんま結婚式でも出しっぱなしなのがすげぇなと思った。

両親への手紙も奥さんだけ読んで自分は読まない。誓いのキスとかもしない。ケーキの食べさせ合いはやるけど、渋い顔してて、奥さんの首あたりにクリームがついてお手拭きをもらったはいいものの、丸くなったお手拭きの先端でホウキみたいにはらいながら拭いていた。

相変わらず友達からは「社会不適合」だのなんだの罵られていたが、正直事実でしかない行動をしていたので仕方ない。結婚式会場の外で着替え出して、ワイシャツのボタン閉めてるところを前撮り的なものに来た新郎に見られるのとかほんと言われても仕方ないだろう。

卒業以来、10年ぶりとかに会うのに容赦なくて、当時からこんな感じだったなと思わせてもらえた。あいつらもまた会いたいな。

えらいもんで自分もいろんな人を取りまとめる立ち位置になってて、と言っても取りまとまらないんだけども、こんな感じだったわを思い出させてくれるのは最高だった。

今日は出勤。
朝7時の電車に乗って、3時間かけて池袋まで行く。
帰りの新幹線で来てくれてありがとうのLINEが来て、こんなことするやつだったっけなと思いながら何故か涙が止まらなくなった。

大人になる部分は大人になる。
ただ曲げすぎる必要はない。

俺はもうちょい大人になってくる必要があるわ。

フジロック体験記〜7月28日DAY1〜

f:id:showend:20230802101311j:image
f:id:showend:20230802104955j:image

夜中はひどかった。
1時間に1回は起きていた。
寝袋も毛布も何も持ってこなかったので凍えて仕方なかった。
半袖とかしゃかしゃの長袖1枚だけでは寒すぎて、口がガタガタ言っていた。

f:id:showend:20230802101157j:image

とにかく風呂に直行。キャンプサイト限定のお風呂が1000円で入れる。いち早く入りたいので小走りした。

f:id:showend:20230802105025j:image
身体を洗う。昨日の汗が一気に落ちる音がした。
こういうときは露天風呂に行きたくなるものだが速攻で内風呂へ。
肩まで入れて力を抜いて見ると浮いてしまって、基礎の筋力が足りないからか、水に流されそうになる。渋々乳首までの入水となる。

その後は露天風呂へ。朝の空を見ながらはいい。毎日凍えて寝てからのこの流れでもいいかもしれないと思った。実際今からの対策の打ち方が俺にはまだ見えていない。

安心したのか服を着る前に音を鳴らして屁をこいてしまった。
人々はDNAレベルで屁の音には反応できる。
当然の訝しげ顔が横目で感じたので、やらかした顔のパフォーマンスを伝わるように大きくした。今回は匂いもついてきたので周りの人が一旦避難した。恥ずかしくてそこらじゅうの空気を積極的に吸い込んだ。申し訳ない。
辛くて200円でコーヒーを買う贅沢をしてしまった。

昨日買っておいたてりたまチキンのサンドイッチを食す。
4時間も寝れていないのでしんどい。グッズを買いに行かねばならない。7:10にテントを出た。

f:id:showend:20230802101507j:image

ストロークスのTシャツ目当てだが、ヘッドライナーのXLのTシャツが残ってるのは考えにくい。ただせっかく起きれているので並ぶ。それよりもパーカーが欲しい。昨日の夜が寒すぎたので暖が取れるグッズが欲しい。

f:id:showend:20230802105222j:image

これの結果で今晩以降の俺が決まる。命のかけた戦いである。

f:id:showend:20230802105002j:image
f:id:showend:20230802101620j:image

ここから並び続けるのだが一向に進まない。どうしてもスマホばかり触ってしまって充電も食うし、暑くなるいっぽうの日差しでスマホ自体も熱くなってくる。
途中から川島明のねごとのマユリカ回と峯田和伸サンボマスター山口のオールナイトニッポンを聴くことにする。
ラジオってこういうときにも助けになるから嬉しい。
また1人でニヤニヤしてしまった。

順番が近づいていくに連れて販売しているもののラインナップが見えてくる。気になるのは値段だ。パーカーが近くになる度にしゃがんで値段を見ようとする。6000円に見えて、よっしゃ出せる!と思った。個人的にパーカーの仕様が前開きのパーカーならば冬に使い用があるのだが、上からのタイプだとあまり着ない。何枚か持っていてすでに少し持て余している。今回は後者のタイプ。あまり値段をかけたくない。

f:id:showend:20230802101801j:image

しかし並び出して2時間も経とうとしてるとき、もう一度見なおすとそこにあるのは9000円の文字。さすがに高すぎる。
2時間も並んだ後に気がつく地獄。
ただ夜の寒さを想像するのも地獄。
はえらいもので値段ひとつでも自分の都合のいいように解釈するよなと思った。

3時間並んでやっと自分の番に。
結局自分が選んだのはTシャツだった。
あまりにも暑すぎて夜の寒さがどうしても想像出来なかった。
今夜こそは大丈夫だろう。こんな暑いのだから、そんなに気温が落ちるとは思えない。
僕は賭けに出た。サバイバル。

f:id:showend:20230802101838j:image

テントに買ったTシャツを置きに行く。
この時間のテントは日射がひどく、人が中にいれるようなもんじゃない。風邪も抜けなくて、体感5度は違う。
すぐにステージに向かうことにした。

今日はキャンプサイトからレッドマーキーへ通じる道が開いている。この道はまだ未補正で急な山やくぼみが多くてとても歩きにくいが、開通してくれているだけでかなりの時短になるのでとても助かる。

急勾配な山を降りてる途中、ドラゴンドラこちらという看板を見つけた。

f:id:showend:20230802102012j:image
そういえばゴンドラがあるとは聞いたことがあった。特別に観たい!というものがない時間は3日間通して今くらいしかなかったので今しかないと思い乗ってみることにした。
前回来た時は元を取ろうみたいな気持ちでアーティストライブを見ることに必死こいていてあらゆるものが見えていなかった。
フジロックという場所の過ごし方はそういうことではない。というか人生自体が元を取ろうみたいな気持ちでいたら損をする。これが20代に入ってわかってきたこと。
ゴンドラに乗ることを即決断できたことに自分の大きな成長を感じた。

f:id:showend:20230802102116j:image
f:id:showend:20230802102120j:image
f:id:showend:20230802102123j:image
f:id:showend:20230802102127j:image
f:id:showend:20230802102131j:image
f:id:showend:20230802102135j:image

そして当のゴンドラなのだが、乗ってからが怖くてかなりビビり散らかしていた。
そもそも高所がそんなに得意でないことは自覚があるのだが、下を覗くとあまりにも山すぎて、ここに落ちたらどこに連れてかれてしまうのだろうと足がすくむ。

f:id:showend:20230802102212j:image
f:id:showend:20230802102217j:image
何年ものかも分からない1本のロープだけゴンドラが動いているのも怖すぎる。ミシミシ言うのをじっと見てしまう。これは往復2000円くらい払わないと怖い。最初は高いとか思ったけど施工費絶対必要。
景色はとてもいい。見渡す限りの複数の山が自分の下にあるのはなかなか見られない光景。ゴンドラの上からステージの音楽を聴くなんて楽しみ方もあるなんて!と感動もしていた。
しかしそのステージが見えなくなっても永遠に終わらないゴンドラ。マジでどこまで連れてかれるのだろう。上りが急になってきて、もうそろそろ終着点かと思った。次の瞬間見えた景色は急な下り、さらにその先にはまた急な上りが繰り広げられている。

f:id:showend:20230802102420j:image
絶望感が襲ってきた。帰りは歩いて戻ろうくらいに考えていたらそんなレベルの距離感ではない。なんなら山を5つくらい超えている。

f:id:showend:20230802105030j:image
耐えられなくなってスマホ忌野清志郎の田舎へ行こうを最大で流した。
フジロックのテーマソング、さっきも遠くで流れていたのが聞こえていたけどがそれもあっという間に聞こえなくなっていた。
ここはフジロックなんだという気持ちを強めたい。あと清志郎がこのロケーションや気持ち動きすら楽しめよって隣で歌ってくれていたらどうにかなる気がした。怖いことには変わりなかったけど幾分か救われた。たしかに少しワクワクを取り戻せた。
ありがとう清志郎。亡くなった時に知ったから俺は清志郎がこの世にいた頃の景色を知らないんだけれども、多分この苗場の山々には清志郎の魂が生きてくれてるんだろう。

f:id:showend:20230802102627j:image
f:id:showend:20230802102631j:image
f:id:showend:20230802102637j:image
f:id:showend:20230802102640j:image

結局音楽に助けられながら辿り着いた先はこれぞヒッピー文化はこういう場所で生まれたんだろうなと思えるような場所。
広々とした芝生にみんなゆったりして、ステージから流れてる曲で踊ってる。ステージがあるとはひとつも思っていなかった。
DJが曲を流していたのだが、あーいうの特有の技術なのだろうか、音を下げてエフェクトかけるのとかやっていたが、回線不良と勘違いするからマジでやめてくれと思った。こんなところで回線不良になるのは怖すぎる。
あと普通にアジカンのサビくらいしっかり聞かせてくれ、余計なことすんなと。正確には女の子の声のカバーの転がる石〜だったけど。

そんなことは思いながらひとまずビールは買って寝転んで芝生とビールの接写。

f:id:showend:20230802102704j:image
もう写真おじさんだ。

何回か目の前に現れるからまさかとは思ったがこの小さな敷地でランニングしているおじさんもいた。

少しずつ人が増えていて、ご飯屋さんで食べるのもやめて、ほどほどにして帰る。

復路はしっかり気が重かったが大雨とか降られる可能性が少ない間に戻りたいのですぐ乗り込んだ。
ほぼ画面も見ないで申し訳程度に写真を撮り、ただただしっかり目をつむっていた。

下の場所に戻った時にはゴンドラもかなりの列をなしていて、結果自分の行くタイミングは超大正解だったなと思った。乗った後悔もあるし、頂上では「もう来ることないだろうけど…」とか呟きながら写真撮ってたけど、決断した自分を褒めてあげたい。

戻ってすぐはレッドマーキーなのでアレクサンダー23のステージを少し。

f:id:showend:20230802102810j:image
マークはしてなかったがガッチリUKロックで結構嬉しかった。今年はこういうバンドが少なくて「ロックが足りない!!」とか来る前は騒いでいたので、いると嬉しい。

昨日の友達と会う。
前夜祭で知らん男の人に飲まされていた影響でだいぶグロッキー状態だった。奢ってもらってんの悔しいなぁと思っていたが、逆の立場として考えて、俺はそんな酒飲むことなんて不可能だし、そのノリについていけないだろうし、翌日こんなしんどい思いするなら奢られなくていいやと思った。素直にこいつ気持ちが強いなと思った。奢られるのはそのノリをやれる人の特権だ。

今日からは卑しい気持ちはやめてしっかり買おうと思い、まぜそばを買った。

f:id:showend:20230802102846j:image
前回は大学生で本気でお金がないので飯などは我慢しすぎて、たくさん魅力的なお店があるのにまぜそばを2回食べる消極的なことをやってしまったことを後悔していた。怖気付いていたらまた同じことになると思うので気持ちを入れ替え。

とりあえずせっかくなので全身の写真は撮ってもらった。

f:id:showend:20230802105010j:image

友達はまた別のお友達と来ていたのでその人に引き渡してからグリーンステージへ。
この2人とはこの後もタイミングが合えばちらちら会うこととなる。知っている人がいるというのはほとんど会話をしなかった前回との大きな違いでだいぶ助けになった。これはこれで8年間での交友の広がりと少しの社交性の向上を意味していた。なんならこれが1番大きかったと思う。

 

グリーンステージで行われているのはROUTE 17 ロックンロールオーケストラ!
毎年恒例のフジロックのアンセムバンド。
ルースターズのドラム池畑とギターの花田を中心として結成されている。個人的に好きなところだとdipヤマジカズヒデがギターで参加してる。前回はdipを聴き出していた頃だったのでヤマジばっかり見ていた。そして吉川晃司のシンバルキックが印象的だった。

最近ルースターズをしっかり聴き出しているので今回はその面々をよく見ていた。年はいってるはずだがプレーも見た目もまだ若々しくて大江さんさえ元気にやれるのであればルースターズ観たいけどなと思わされた。

f:id:showend:20230802103213j:image

グリーンに着くと流れていたのはトータス松本が歌うローリングストーンズのタッチミー、雰囲気最高である。
その後に出てくるのは土屋アンナ、ブロンディのコールミーやジョーンジェッツのI LOVE ROCKNROOLをぶちかましていく。格好も70〜80年初頭のカッコいい女性ロックンローラーに寄せてくる。結構楽しかった。そして最後に出るのは奥田民生。民生によるツェッペリン。メタル、速弾き隆盛世代が楽しくハードロックをかましていた。

ここでフジロックのために意を決して買ってきていたマンチェスターシティのショルダーバックがすでに割れていたことに気がつく。
グッズを並んでいる時に1回真下に落とした覚えが強くあるのでその時なのは明白。買って3日でぶっ壊すのは悲しかった。

その後はまたぷらぷら。RIZEのkenkenが写真やサインの対応をしていたりしたのを目撃した。

その後はIDLESを友だちと後ろの方で座りながら嗜む。

f:id:showend:20230802105213j:image

ドラムがなでしこジャパンのユニフォームを着ていて笑った。ベースかギターの人も女性の格好をしていたりしたので何かしら別のメッセージはあるのかもしれない。ただただ女子サッカーのワールドカップが今やっているからという気まぐれかもしれない。
普段あんまり聴かないがライブだと観れる。ポストパンクから影響受けてる系統は自分の中ではそういう括りに入る。

さぁ個人的にはここからが本番。矢沢永吉の登場である。

そりゃ普通に観に行こうと思わなきゃ出会うわけのない永ちゃん。生で観れるなんて価値が高すぎる。

f:id:showend:20230802103422j:image
ライブ10分前から「永ちゃん永ちゃん!」ゴールがどこかかしらから聞こえる。
たしかにどこかでそういう文化があるというのは聞いたことがあった。たしか岡村隆史1人時代のオールナイトニッポンで聞いた気がしないでもない。噂の場面に立ち会えてニヤニヤする。実際親衛隊みたいな人たちがいて今か今かとコールを繰り出す。濃いファンがみんな前に集結するというわけでもなく、年配の方も多いので後ろの方で椅子を置いて楽しむ方々もいる。
こんな山奥まで永ちゃんが出ると聞いて聞きつけるファンのおじちゃんおばちゃんたちに愛しさを感じる。自分が調べた限りだと今年初ライブぽかった。そりゃあ来たいよな。
そうやって各所で待ち侘びる声が大きくなる中、レジェンド登場。

f:id:showend:20230802103349j:image
期待を軽々上回ってきた。すごすぎる。大好きなクロマニヨンズ以外で初めて完全無欠のロックンロールを感じた。無駄がひとつもないことが衝撃的だった。学生の頃は少し馬鹿にしてたくらいで、ここ数年はまったくそんなことなく普通に好きくらいだったが、ライブを見ることで尊敬に変わった。
1時間の持ち時間を8曲35分で終了したのだがそれが魅せるのに適性の時間ならそれでいいだろ?と言わんばかりの潔さ。これがロックンロールだ。
実際セトリもこういうライト層が多く見るであろうところに合わせた有名曲の連打。フェスではこうあるべきだし、たまにフェスだからって激尖りセトリやる人いるけど見習ってほしいと思った。
非常に満足度が高くて、多分1番持ち歌で有名なファンキーモンキーベイビーをやっていないが、やってくれなかったなぁとは思わないし、むしろ蛇足でこれ以上はいらなかった。レジェンドの貫禄がすぎる。


そして余裕を持ってレッドマーキーでのeastern youthに向かう。
昔から良いぞ良いぞとは知っていたが最近まともに聴き出した。職場で誰かがかけていた「感受性応答セヨ」。(話の寄り道をするとこのようにタイトルにカタカナが多用されるのが厨二病感があって良いとは知っていても近づけずにいた)
このアルバムの夜明けの歌に食らってしまいそのまま帰り道も聴き続けた。

自分にとっての初めてのイースタンユース
フジロックのライブはそんな夜明けの歌からスタートした。それだけでももう最高である。

f:id:showend:20230802103508j:image

夕方になってきて日差しも落ちてきて、絶妙なロケーションになってきたこの時間に響くギターのイントロ、そこにゆるやかに乗るベース、そして開幕を告げるドラムのビート。気持ち良すぎる。そしてロックの孤独と寂しさや後ろめたさと希望を映し出す王道的な歌詞。
全てが堪らなく合致して、目から涙が溢れ出た。泣けて仕方なかった。あまりにも素直に出てきた涙だったのでしばらく拭かなかった。その方がいいと思った。

その後もここ最近聴いていた代表曲たちが乱打されていく。うる覚えの歌詞を引っさげて全力で歌っていた。

やはり3ピースバンドは強い。無条件でカッコいい。
フロントマンの吉野が自由に感情をぶっ放すのは分かるとして、ドラムの田森も割とマイペースにリズムを刻むのが印象的で、ベースの村岡が調整している感覚。このバランス感覚もすごく良くて感動しっぱなしだった。

最後は夏の日の午後で〆る。フジロックの夕暮れにうってつけの最高のアクトだった。

別日に会場でご飯を食べていたら40代くらいの女性の方々の3人組の1人が「夫に行くならeastern youthは観といた方がいいって勧められて、後半半分くらい見たけど、そんなって感じで」という会話が聞こえた。
夫はめちゃ勧めるけど嫁にハマらない。めちゃくちゃeastern youthだなと思った。

矢沢永吉からeastern youth、方向性はまるで違えどこのように度数の強い味のあるロック、ロックンロールは日本に生き続けなきゃならんなと思った。それは自分の願いでもある。

この2組を立て続けに観ただけでだいぶ放心状態で最高な気分だったが、これからThe Strokesが観られる。信じられない気分だった。高揚感がドサっと来たこの時間が1番幸せだったかもしれない。

とりあえず心を落ち着けたかったので一旦テントに戻って気持ちを作る。カバンも前方に行けるようにより少ない荷物で行けるものに変更。Tシャツも汗でびしゃびしゃだったので今朝買ったストロークスのTシャツに着替えた。

f:id:showend:20230802103536j:image
気持ちを作り直して、いざグリーンへ。
前方で待機するため前のアーティストのライブ途中から前方へ。好きじゃなそうなイメージで待つの辛いなと思っていたが、思ったよりも聴けた。これもフェスならではの感覚である。

 

ストロークスが日本でライブをするのは12年ぶり。
さすがに来なさすぎである。ただストロークスはそもそもライブをやってる時期やってない時期がまちまちだったのでこのくらいはあいたのだろう。にしてもだな。

俺はリバティーンズ、グリーンデイ、ストロークスのどれかが来たらそれは絶対行くとこの7年くらいは周りに宣言していた。
今回来た理由はほぼThe Strokes、彼らが俺をここに連れてきた。
昨年はリバティーンズサマソニでフラれた。ほぼ当日でのキャンセル、そして地元で撮影された謎の映像ライブを見せられて、ファンサしている時間を永遠に流されて意味不明だった。それはまだしも本当にもうピートドハーティの入国ビザが今になってもおりないんだなと分かってしまい絶望的な気持ちであった。
グリーンデイも久々に来日が発表されてチケットも取ったのにコロナで延期、そのまま代替えもなく中止になってしまった。
ストロークスだってフジロックにラインナップされていたがコロナで1回流れていてその後もしばらく流れたままでだった。
結局1つも観れてないままでここまで来てしまった。
しかしフジロックはリベンジの舞台を用意してくれた。ありがとうフジロック。ついに観れるんだぞ。

f:id:showend:20230802104055j:image

会場に戻り、後ろにいる男の子2人組の1人が東京カレンダーに出た話とかに聞き耳立てながら、ひたすら待ち続けて1時間半。

ついにその時が来た。

f:id:showend:20230802104229j:image

f:id:showend:20230802104033j:image

ライブはThe Modern Ageからスタート、レゲエやSKAのリズムに影響を受けたような独特なギターリフがグリーンステージに響き渡る。前方はモッシュ状態で転けそうなところを耐えながら。ジュリアンカサブランカスやアルバートを近くで見れてテンション上がったが、ストロークスってこうやってモッシュの中でみるものじゃないよな?と思った。
クールに静かに高揚するリフを堪能するバンドだよな、なんなら風とか抜けてくれる方が良くて、熱気の中で聞くものではない。
そう思って次第に少しずつ下がって行った。

これまでライブはなんでもかんでも前で観ていた節はあったが、そうじゃなくてもいいかもと1日通して思えた。

少し下がることでストロークスのもう1つの特徴に気がついた。バンドとしての佇まいがとても綺麗なこと。

f:id:showend:20230802104327j:image

f:id:showend:20230802104603j:image
暗い照明の中で横並びの姿で並んでいる5人がとてもカッコいい。様式美に近い。

そこからはバンドとしての姿が美しいなと思いながら、十分なスペースのある場所で数々の印象的なギターのリフと共にエアギターをして乗りまくっていた。
夜道で聴きながら乗りまくってるあの時と同じように聴けてすごく心地よかった。
個人的にはYou Only Live Onceでぶち上がり。Under Controlが苗場の空気に合っていてすごくよかったのと、そこからのJuiceboxがまためちゃくちゃカッコよかった。
アンコールでやっていた近年作のOde to the Metsが存外よかった。あれ大谷に捧げるとか言うてたのな。英語ひとつも分からんからMCは100割聞き取れてない。
この曲の途中でジュリアンが天を仰いで一瞬だけサングラスを外したのもよかったな。顔ファンもむちゃおんのにちょっと太って自信がないからずっとしとんかと思うてたけどまだ全然カッコええやん。

ストロークスはギターリフがマジで印象的なものが多すぎて、それで曲を覚えている節があるのでタイトルとまったくリンクしない。
だからFear of SleepやRed Lightをやったのが貴重だったのも反応できなかった。知ってる知ってる!って思っただけで。

さすがに歌詞で連呼しているものは分かるが、そのくらいギターのリフの印象が強いものが多い。それに気がついてアルバートがマジですごい人であることを今回思い知った。

アルバートの印象的なリフにジュリアンのある種ブルースのような気だるいボーカルが乗り、それを他のメンバーが最小限の音でグルーヴを作り上げてロックンロールとして成り立たせている。めっちゃくちゃクールなバンドでカリスマ性が高い。それがStrokes、そりゃあ大好きだわ。

最後はLast Niteで終わり。

最後はエレベーターのようなもので帰されそうな後ろの映像も好きだった。

f:id:showend:20230802104439j:image
ストロークスを目撃出来た人生でよかった。また近いうちに来てくれ。新作あんだけよかったんだからまだまだ期待していいだろう。

オアシスに向かう間の人混みで、自然とジュリアンの気だるい感じをマネしながら歩いていた。
俺もジュリアンカサブランカスになりたかった。

余談だが自分が位置を下げてる最中にCzecho No Republicのタカハシマイを見つけた。かなり前にHostess Club WeekenderでSt.Vincentを前方で観た時に自分の目の前にいてビックリしたあの時以来2度目。終わった後、武井優心も現れて夫婦2人とも来てたんかとなった。
高校のときマジでむっちゃ聴いたからな…DANCEって曲大好きやねん。初めての野音、当時の彼女と2人で観に行ったわ。ストロークス好きって言うてた気がするわと思いながら退場の人混みで声はかけることなく見送った。

この日はほぼご飯を食べていなかったことに気がついた。ロックがあれば飯もいらないわという気持ちも湧いてきたが、倒れてもアレなのでもち豚巻きだけ食べた。直前までもち豚丼にしようとしてたのに。200円をケチってしまった。

f:id:showend:20230802104641j:image
かなり美味しかったので丼にすればよかった。

最後にクリスタルパレスに少し立ち寄ってジャズファンクなバンドを少し見る。こういうバンドが似合うステージで本当によく出来たところだと思う。

f:id:showend:20230802104708j:image
8年前はここで観た夜中のウィルコジョンソンがとんでもなく最高だったよなと懐かしんでいた。ウィルコジョンソンをパブ感ある小さなステージで観れたのが本当に貴重だったと思う。なんせパブロックの第一人者だ。当時はパブロックのパブがそのまんまの意味とは思いもしなかったけど。
この日、袖には鮎川誠がいた。2人とも今年亡くなっちゃったな、8年も経てば今元気に見える人も普通に死ぬ。そんなことを思ってしまった。

f:id:showend:20230802104810j:image
f:id:showend:20230802104733j:image

フジロック体験記〜7月27日前夜祭

 

初めてフジロックに行った20歳の夏、直前にリアルにお札を空に飛ばしてしまったり前途多難だったあの日。

あれから8年が経った。

今日、あの日以来にフジロックに向かう。
今年の狙いはThe Strokes、彼らが出るならもう向かうしかなかった。

当日は15時までレコード屋に出勤。
朝起きてフジロック!の気持ちだったので到底出勤するとは思えなかった。

メルカリで買って使っていたガンバ大阪粗品リュック。メルカリで買っていたクレイジーケンバンドのレコードサイズバック。そしてテントを抱える。

f:id:showend:20230802100859j:image

 

どうやっても電車で2席使わなければならなかった前回よりは減らせて、まだ見れるくらいの荷物量になった。

車で送ってもらい出勤。
セブンによってチケット発券と缶ビールを購入してもらった。

俺の悪い癖でもあるのだが、トピックになりそうなことはほとんどの人に同じ話をしてしまう。
「この後、フジロックに行く」ほど引きの強いものはそうそう出会えないのでほぼ全員に話した。
お上りさんになってるなと思われているととても恥ずかしいなと思いつつ、でも実際そうだし仕方ないなとも思えた。
とりあえず缶ビールを職場の備え付けの冷蔵庫で冷やした。

音楽の職場でも意外と行く人は少ない。
そもそもそんな財力を為せる人が少ない。
あと単純に出不精な人も多い。
自分は実家暮らしなのもあるが(というかほとんどの人がそうなのだが)こういうイベントにはお金を払っておくべきだと、なんなら体力あるうちだぞと思い参加することにしている。

今回も行くのは自分くらいである。
休みが取りやすくてありがたい。言うてもある程度通してくれちゃうけど。

池袋の駅でナポリタン&カツカレー大盛りを食し、埼京線へ。

f:id:showend:20230802095849j:image

現地では食べ物などの購入にICカードしか使えないようなので何円チャージをしておくか悩む。
別にチャージスポットは置いてくれてはいるもののなるべくお金を先に決めておいてそこからやりくりしたい。その方がお金を使わなくて済むであろうと思っている。
結局19000円チャージした。
25000円の現金を持って大宮へ。

8年前は鈍行列車で向かい、お金を限りなく抑えた。
その分4時間以上かかった記憶がある。
今回はあまり値段が変わらない割に時間が違いすぎると気づいたのと、携帯の充電をしたいというのもあり新幹線にした。

あの頃のように鈍行で行く気力などがなくなってきているのは自分でも伝わるからやはり若いうちに動けるものは動いた方がいい。

新幹線も荷物がどうなるか分からなかったので車両で1番前の席を確保しておいた。
駅のホームには同じ目的の人たちが見るだけで分かる。どこか顔がニヤついてる人もいた。喜びに溢れている。

新幹線に乗って見ると自分の席が間違われていた。
3人がけの通路側を取ったが、そこは埋まっていて窓側が空席になっていた。席を間違えられている。
これは言うべきか言わないべきか。
どうしようかと思って少し空いてたひとつ後ろの席に居座って他の人を通路に通そうとしたが、僕のすぐ後ろにいた人がその座席だったようだった。
僕は言うのを諦めて飲み込んでまるで窓側の人であるかのように振る舞った。

隣の若そうな子のスマホには坂本慎太郎を流している形跡があった。行くんだなと思った。

越後湯沢駅着。

f:id:showend:20230802095939j:image
f:id:showend:20230802095935j:image
外人さんがかなり多いなと思った。
ここからすぐシャトルバスの列に。
結局40分弱は並んだが、田舎町に大勢の人が集まってるこの風景を眺めているだけでそれなりに時間が経った。待ちが辛くない。

古びた駅の外装の真下に綺麗なマツキヨがあるのが異様な光景だった。

f:id:showend:20230802100006j:image
バスはかなり山の中を抜けていく。どんどん標高が高くなっていく。フジロックほど歴史があればいろいろと交通が舗装されていて問題なく来れるが、これは普通に考えたらゾッとする立地だ。

普通に40分くらいはバスに乗った。

前夜祭のアーティストライブは20:20から始まるがここからリストバンドの交換をして、テント場所探して、建て付けしてだと絶対間に合わないと思う。

f:id:showend:20230802100153j:image

19:10に現場に到着。
バスを降りた瞬間の匂い。この匂いで8年前を一気に思い出した。この山の匂い。山だなぁ!と言いたくなる。ちょっとやそっとの木々の数では出ない匂いなのだ。

テントの建て付け。
結局1時間かかった。前回は雨に見舞われながらこれをやるのしんどかったろうなと思った。ただでさえかなり苦戦した。汗が噴き出てタオルで拭いてはタオルがひたすら重くなるのみ。キャンプが好きなわけではなく、ホテルを取るお金がないので渋々やっている。なので意欲も低く全てめんどくさいが勝つ。
途中、隣のテントの人に「北村さんのお知り合いの方ですか?」と言われたが、しんどい建て付けの最中だったので「全然違います!」と返した。「全然違います」となぞられた。「全然」に引っかかったのであろう。せめてでも笑ったが暗闇で相手には見えていなかった。今後が気まづい。

会場に向かう。テントサイトからレッドマーキーに通じる道をかなり活用していたが、この前夜祭の時間は開いてなかった。後戻りして正規ルートで向かう。

f:id:showend:20230802100235j:image

全身で決めた写真が撮りたかったが誰に頼むことも出来ずに写真が撮れず。慣れない自撮りで事を済ませた。あんまりいらない写真がフォルダに入った。

お昼ご飯で食い溜めをして夜ご飯は我慢する計算だ。そうでもしないと金がもたないと思う。

今年のオアシス(飯などがいっぱいおいてあるところ、祭りの会場みたいな)は大盛況。こんな人いたっけ?となり怖気付いた。

f:id:showend:20230802100818j:image
1人だけ友達がいて、待ち合わせようとするが連絡が来ない。なんか落ち着かないので早く合流したいが来ない。人目のつかないゴミ箱のコンテナの後ろにひたすら立っていた。

f:id:showend:20230802100306j:image

合流出来ぬままjatayuを観た。
インドのインストバンド。これがかなりカッコよかった。歪んだギターだったので自分の好みだった。また観客の巻き込み方も上手で「ラタタティタ ラタタティタ」という変わった言語でドラムのリズムを観客に刻ませて、そこに音を乗せていく。しっかり説明の時間を作り、ドラムで音を確認させて、観客がこのリズムなのか!と気づいて、ギターを乗せて、何回かアテンドしたらあとは自発的に行ってもらう。すごく気持ちがいいタイミングでお客さんに投げていたのがよかった。

f:id:showend:20230802100338j:image

終わりのDJでフーファイターズがかかる。爆音でかかるフーファイはカッコよかった。そんな好きな方のバンドではないし、前回のフジロックでも観たのだけど、なんなら途中で飽きて移動したけど、今年も見てみようかと思った。

その後はストロークスのHARD TO EXPLAIN
本当にストロークスが生で観れるんだなと実感してとてもよかった。

そして次は紫である。

f:id:showend:20230802100430j:image
沖縄の産んだ伝説的なヘビメタバンド。
10分くらいひたすらにセッションしていた。プログレッシブだ。早引きだ。となった。そこからボーカルが出てきた。
若い女性3人組はボーカル出てきた後タイミングでサッと外に出て行った。前方で観ていたのだが気づいたら周りに40〜50代が増えていた。「紫ってだれだー!」と騒ぐ若者。隣の人は直前のクラブ系音楽を流してたDJの方が楽しそうにしていたが、静かに顎に手を添えながら見守るおじさんたちが乙だった。俺も多分そっち側だ。
最後はディープパープルのハイウェイスター。
そっちの紫もやる。

終わった後に近くの若者に「これから全部DJですか?」と聞かれて「多分そうです!」と言ったら、ハイタッチされた。
もう少しくらいはバンドが受け入れられて欲しいと思った。

友達とやっと会えたが酔っ払っていて、あぁこれは飲まされているなと思った。
どうやら声をかけられた男の人たちからひたすら奢ってもらっていたようだ。
翌日になり解釈が変わるのだがこの段階では金がなくて飯を抜いていたので悔しくて仕方なかった。マジで俺なんかに奢ってくれるやつはおらん。
悔しくなって酒と五平餅だけ買った。
レッドアイ600円、五平餅400円。
基本ご飯は1000円していたので抑えた方だ。

f:id:showend:20230802100514j:image

そこからテントに戻って、ナインティナインのオールナイトニッポンを流しながら就寝。
北村さんの知り合いを探していた人とはまた別の隣のカップルがエッチを始めないかひたすら聞き耳を立ててしまった。

人の興味のないことを振り向かすってこんなむずいのか


後輩にフジロック1人で行くんですか?と言われた。

俺は今年8年ぶりにフジロックに行く。前回も1人で前夜祭から5日間、ほとんど会話などなく終わった。

「うん、1人だよ」
「誰か誘おうとかなかったんですか?」

フジロックなんて新潟の山奥まで行かなあかんし、泊まりもせなあかん。お金もかなりかかる。チケット代だけでも。3日間なら49500もした。そんなの誰も誘えないと思ってた。

「ハードル高くない?」
後輩から
「サッカーの試合誘う方がハードル高いですよ」と言われた。

結構唖然とした。

音楽の職場で働いてるからたしかにフジロックに興味ある人は多いとは言え、でもほら俺らみんなアルバイトだろ?しかも都の最低時給で働いてるのも皆承知やん?高いと無理やん。と思っていた。

かたやJリーグは日帰り出来るわ、チケット代も2000〜3000円で済むわ、しっかり90分で終わるわ。これにハードルの高さを感じたことはなかった。

でもたしかに毎度誘う人に苦労している。

HUBで少し飲みながら観る。それだけでも苦労している。

結局僕は高校からの同級生と一緒に行く。
彼も同じ悩みを抱えていて、この面においては利害が一致している。

しかし彼の予定が合わないと毎度彼女を連れ出す。
彼女はサッカーにさほど興味はない。

1人で行くことに昔は慣れていたのだが、最近はもうそんなこともなく、贔屓にしている甲府かガンバの試合でなければ辞めてしまうことが多い。

人が興味のないことを振り向かすってこんなにもむずいのかと思う。
しっかりJリーグの客が減ってるのもとても分かる気がする。
無料券まくってどうにか頑張ろうとしているのも。それがいいか悪いかは置いておいて。

にしてもフジロックに誰かを誘うのはなかなか難しいと思う。

そんなのを許諾してくれるほど人は俺に対して信頼をしていないと思う。

車とか運転できるようであれば話は変わるんやけどな。


タイムテーブルが今日出て自分なりの観たいものを組んでみた。
ロックンロールが足りないんじゃボケぇぇ!!と言う気持ちになった。
やはり最近のヒップホップ流行、ソロアーティストが隆盛する時代はもう飽き飽きだ。

大体この後にバンドが隆盛していくのがこれまでの音楽の流れなんだけども。

誰でも曲を作れる。表現できる。1人でできる。
時代の変化がそうさせてるようにも思えて、もう戻らないのかもしれないと思う。

バンドがもっと出てこい!人と人がぶつかりあって泥臭いものを見せてくれよ!
弱いものぶってイキってる、それが正義の世界線のヒップホップはおもんないねん!そんな世の中辛いねん!

フジロックもなんならサマソニもそんな時代の流れに逆らえないようなメンツで俺は辛い。

せいぜい俺の精神衛生上、バースデーが無理やからクロマニヨンズはいて欲しかったな。。。

こんな感じで俺をヒップホップに興味を振り向かそう思うたらかなりむずいぞ!というのを自分も持っているので、Jリーグに振り向かすのが辛いのはまた少し分からんでもない。

当日になれば素直に楽しんでるのだろうと期待する。

あとシンプルにキャンプの準備するのだるいなぁ。

 

おうむ返しっておもしろ便利よね

おうむ返しって面白いなと思う。

自分自身は日常会話、飲み会などで多用してしまう。
それは単純に頭が機能してない、回転が遅いというのもある。全然次の言葉が出てこないのでそのまま返してしまうことが多い。

ただ面白いなと思うのはそれでも成立してしまうところだ。

おうむ返しの素養にはマーキングの意味がこもっている。
空気に流れそうな衝撃的なひと言もおうむ返しをすればマーキングし直され、皆がそこのおもしろさに気づいて笑いが起きる。

なんなら大したことないものでも、おうむ返しのフックアップの質次第では笑いになる。

ポケモンカードとワンピースのカードとデュエマのカードを集めてる」と言われた時に「ワンピースカード!?」と言うだけで成り立つ。

さらにおうむ返しの強弱によって認識も変わる。リズムやおもしろさの種類も少し変わるのもおもしろい。

霜降り明星のラジオで粗品もよく多用するイメージだがあれは話の邪魔にならないようになぞりなおしをしている。
それに気づいたよ的な笑いも含んでいるので小声の低いテンポで言われると自分だけが気づくおもしろさという機能もある。

面白い基準で書いてしまっているが、日常会話で会話を続けるためにも非常に有効でおうむ返しすると比較的にその話題について相手が自ら話してくれる。話を一歩進めてくれる役割も担っている。

もし話してもらえなくても、自分がその部分に引っかかったという意思表示はすでに出来ているのでそれについてそのまま聞いてしまえばいい。

相手を深く掘ることも可能になるとても優良会話ツールである。

行為自体は楽ではあるが、それをするだけで断然に違う。

なかなか便利な上に人によって引っかかる部分は違くて、それすらもおもしろがれるし、その人の性格も見える、逆に見せることもできる。


今日の飲み会ではそれを多用しまくっていた。

ありがとう、おうむ返し。

 

このコミュニケーション行ける?行けない?


「お前のコミュニケーションの行ける/行けないの基準がわからん」

これを言われて、本当そう見えてるだろうなと思って笑った。

言われた時の状況は
居酒屋で注文するタブレットが自分から1番遠いところにあって、次のお酒を注文するときに立ち上がって自らタブレットをいじりいった時に言われた。

たしかに僕以外のみんな、お酒を口頭で注文してタブレットに1番近い人に注文してもらっていた。

そのくらいは言えるだろということなのだが、自分にはこのときできなかった。

この店舗には紙のメニューがなく、なんのお酒があるかわからない。その中でも皆がいつもの自分の注文スタイルを持っていて、次の注文を見ずに飛び出せる。
2杯目も生ビール、ハイボール、緑茶ハイなど決まったものがある。
だから口頭で言えるのだ。

自分にはそれがなく、常に気分で決めたい。
この店舗に何があるのか。全体を眺めてから思考したい。そうなるとタブレットをその人にいじってもらうのは申し訳ないので立ち上がって見に行くこととなる。

これがこのときコミュニケーションを行けなかった自分の中での大きな理由だ。

ただ行ける行けないの基準がわからない、というのは自分がそのくらいは行ける人間だろう。言える人間だろうという認識なわけだ。

見るからにおしとやかなやつであればそんなことは言われない。
何か人が飛び越えれないコミュニケーションを飛び越えてる時があるということだ。

これも自覚がある。

最近は新しく入った子の1日目はほとんど自分が教える立場に付くことになっている。このときはすでにフランクに話すことが出来ている。
好きな音楽を聞き出したり、自分の身の上話をしたり、さらにいければ相手の身の上話も聞き出す。それなりに話すことは可能だ。

おそらくこれを出来てる人はそんなにいない。
理由として1対1ならば話すしかないからまぁまぁ強いというのもある。ただ例外もあって、調子次第では全然いけないときもある。緊張のゾーンみたいなものに入るときだ。

あと自分のダサさを出すのが躊躇がないのも特徴。むしろ嬉々として出しているときがある。
それによって相手が気を許してくれるというのも効果を発揮していると思う。

そして1番デカいのは調子いい感じで声を出しておくこと。
闇雲だと怖がられるけど、適宜声を出しておいてる。
そうしておくとこの人よく声出すなぁと明るく見えていくものだというのは近年気がついた。

このコミュニケーションはいける。


ただ会話って滞りなく行うものである。
考えすぎて、最終的に異物のようになってしまう俺はこれでいいのだろうか。

ただ俺は会話のことを考えることを愛してる。

上手くいかなくてもいいのだろう。
それによって嫌になることがあっても、考えるということを愛していたい。

なんでかおもしろいやつには必要以上に優しくてしまう

どんなに困った後輩でもおもしろかったら全てを許せてしまう。

それが果たして上に立つものとしていいのか?とも思うのだが、そのくらい自分にとってはおもしろいということが最重要事項に来るのだろうと思った。

困ったと言ってどのくらい困ったかと言うと接客業としてレジに立って少し変な、キレやすいお客さんがいると嫌悪感が態度から出てしまう。そしてそういう態度を指摘されるといやでもと反抗の姿勢に入る。その後の説教でも同じくで、自分の中の論理があって、それにそぐわないと普通に言い返す。
ほとんどの人が呆れ返って相手もしない中で何故か自分はたまに2人で飲みに行ったり仲良くしている。

その自分の中の論理が人として間違えてなくて、みんなこうあるべきだよなとも思う。
俺も店員さんがそんなにキチキチする必要ないし、感情なんて出していいし、相手がおかしいなら言い返していいだろくらいの気持ちはある。ただそれが世の中にそぐわないことは分かっているから大きくはしない。自分の中だけで分かるように済ます。

そういうことが彼には出来ない。

分かっていてもしない。

信念を貫かないと嘘だと言う。
そんな嘘をついてどうするんだ。そういうのが大嫌いだ。

自分はそうでそこを貫く気持ちはわかるけど自分だけの問題じゃなくなるんだぜ?とも言うがそんな話はなんのその。
他の人に迷惑をかけてしまうことも分かってる。でもなんで会社のイメージダウンになるんだよ。そう捉えるやつの方がおかしいだろ。悪いのは俺なんだから俺のイメージが悪くなるだけでいいだろ。と。

いや分かってしまう自分がいる。
どんなとこにも変なやつはいるし、どこにだって働いてる。
そいつだけが批判されるべき。
日頃見聞きするニュースでもそんなことを思っていることは多々ある。

ここで一歩も譲歩する気がないのが彼だし、なんだかんだそこがおもしろかったりもする。

なんでそうなるんだよ。そんなとこ引っかかってたの?!

彼と話してると驚くことばかりで俺は思わず笑ってしまう。
一緒に働いてると苦労もするし、一丁前に立場が上になっているから彼のことで相談されることも限りなく多くて、その周りの苦労も痛いほど分かる。
でも仕事なんてものを離してしまえばただおもしろいだけになってしまう。

ただ気になっているのは揚げ足取りになりがちなところ。これだったらこっちもこうじゃないとおかしいだろ。を持っているのでいざなにかあると過去の発言とかに固執する。
そんな揚げ足取りにはなってほしくないのでそこだけは1番気をつけて欲しいなとは思う。

他の人は彼に対してもうサジを投げてるのがそこらへんで見受けられるような感じだ。

なんでかおもしろいやつには必要以上に優しくてしまう。

今日も彼は反省の色ひとつ見せずに帰って行った。