中敷きがズレてくような日々

煩悩、戯言の半径30cm

フジロック体験記〜7月27日前夜祭

 

初めてフジロックに行った20歳の夏、直前にリアルにお札を空に飛ばしてしまったり前途多難だったあの日。

あれから8年が経った。

今日、あの日以来にフジロックに向かう。
今年の狙いはThe Strokes、彼らが出るならもう向かうしかなかった。

当日は15時までレコード屋に出勤。
朝起きてフジロック!の気持ちだったので到底出勤するとは思えなかった。

メルカリで買って使っていたガンバ大阪粗品リュック。メルカリで買っていたクレイジーケンバンドのレコードサイズバック。そしてテントを抱える。

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どうやっても電車で2席使わなければならなかった前回よりは減らせて、まだ見れるくらいの荷物量になった。

車で送ってもらい出勤。
セブンによってチケット発券と缶ビールを購入してもらった。

俺の悪い癖でもあるのだが、トピックになりそうなことはほとんどの人に同じ話をしてしまう。
「この後、フジロックに行く」ほど引きの強いものはそうそう出会えないのでほぼ全員に話した。
お上りさんになってるなと思われているととても恥ずかしいなと思いつつ、でも実際そうだし仕方ないなとも思えた。
とりあえず缶ビールを職場の備え付けの冷蔵庫で冷やした。

音楽の職場でも意外と行く人は少ない。
そもそもそんな財力を為せる人が少ない。
あと単純に出不精な人も多い。
自分は実家暮らしなのもあるが(というかほとんどの人がそうなのだが)こういうイベントにはお金を払っておくべきだと、なんなら体力あるうちだぞと思い参加することにしている。

今回も行くのは自分くらいである。
休みが取りやすくてありがたい。言うてもある程度通してくれちゃうけど。

池袋の駅でナポリタン&カツカレー大盛りを食し、埼京線へ。

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現地では食べ物などの購入にICカードしか使えないようなので何円チャージをしておくか悩む。
別にチャージスポットは置いてくれてはいるもののなるべくお金を先に決めておいてそこからやりくりしたい。その方がお金を使わなくて済むであろうと思っている。
結局19000円チャージした。
25000円の現金を持って大宮へ。

8年前は鈍行列車で向かい、お金を限りなく抑えた。
その分4時間以上かかった記憶がある。
今回はあまり値段が変わらない割に時間が違いすぎると気づいたのと、携帯の充電をしたいというのもあり新幹線にした。

あの頃のように鈍行で行く気力などがなくなってきているのは自分でも伝わるからやはり若いうちに動けるものは動いた方がいい。

新幹線も荷物がどうなるか分からなかったので車両で1番前の席を確保しておいた。
駅のホームには同じ目的の人たちが見るだけで分かる。どこか顔がニヤついてる人もいた。喜びに溢れている。

新幹線に乗って見ると自分の席が間違われていた。
3人がけの通路側を取ったが、そこは埋まっていて窓側が空席になっていた。席を間違えられている。
これは言うべきか言わないべきか。
どうしようかと思って少し空いてたひとつ後ろの席に居座って他の人を通路に通そうとしたが、僕のすぐ後ろにいた人がその座席だったようだった。
僕は言うのを諦めて飲み込んでまるで窓側の人であるかのように振る舞った。

隣の若そうな子のスマホには坂本慎太郎を流している形跡があった。行くんだなと思った。

越後湯沢駅着。

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外人さんがかなり多いなと思った。
ここからすぐシャトルバスの列に。
結局40分弱は並んだが、田舎町に大勢の人が集まってるこの風景を眺めているだけでそれなりに時間が経った。待ちが辛くない。

古びた駅の外装の真下に綺麗なマツキヨがあるのが異様な光景だった。

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バスはかなり山の中を抜けていく。どんどん標高が高くなっていく。フジロックほど歴史があればいろいろと交通が舗装されていて問題なく来れるが、これは普通に考えたらゾッとする立地だ。

普通に40分くらいはバスに乗った。

前夜祭のアーティストライブは20:20から始まるがここからリストバンドの交換をして、テント場所探して、建て付けしてだと絶対間に合わないと思う。

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19:10に現場に到着。
バスを降りた瞬間の匂い。この匂いで8年前を一気に思い出した。この山の匂い。山だなぁ!と言いたくなる。ちょっとやそっとの木々の数では出ない匂いなのだ。

テントの建て付け。
結局1時間かかった。前回は雨に見舞われながらこれをやるのしんどかったろうなと思った。ただでさえかなり苦戦した。汗が噴き出てタオルで拭いてはタオルがひたすら重くなるのみ。キャンプが好きなわけではなく、ホテルを取るお金がないので渋々やっている。なので意欲も低く全てめんどくさいが勝つ。
途中、隣のテントの人に「北村さんのお知り合いの方ですか?」と言われたが、しんどい建て付けの最中だったので「全然違います!」と返した。「全然違います」となぞられた。「全然」に引っかかったのであろう。せめてでも笑ったが暗闇で相手には見えていなかった。今後が気まづい。

会場に向かう。テントサイトからレッドマーキーに通じる道をかなり活用していたが、この前夜祭の時間は開いてなかった。後戻りして正規ルートで向かう。

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全身で決めた写真が撮りたかったが誰に頼むことも出来ずに写真が撮れず。慣れない自撮りで事を済ませた。あんまりいらない写真がフォルダに入った。

お昼ご飯で食い溜めをして夜ご飯は我慢する計算だ。そうでもしないと金がもたないと思う。

今年のオアシス(飯などがいっぱいおいてあるところ、祭りの会場みたいな)は大盛況。こんな人いたっけ?となり怖気付いた。

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1人だけ友達がいて、待ち合わせようとするが連絡が来ない。なんか落ち着かないので早く合流したいが来ない。人目のつかないゴミ箱のコンテナの後ろにひたすら立っていた。

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合流出来ぬままjatayuを観た。
インドのインストバンド。これがかなりカッコよかった。歪んだギターだったので自分の好みだった。また観客の巻き込み方も上手で「ラタタティタ ラタタティタ」という変わった言語でドラムのリズムを観客に刻ませて、そこに音を乗せていく。しっかり説明の時間を作り、ドラムで音を確認させて、観客がこのリズムなのか!と気づいて、ギターを乗せて、何回かアテンドしたらあとは自発的に行ってもらう。すごく気持ちがいいタイミングでお客さんに投げていたのがよかった。

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終わりのDJでフーファイターズがかかる。爆音でかかるフーファイはカッコよかった。そんな好きな方のバンドではないし、前回のフジロックでも観たのだけど、なんなら途中で飽きて移動したけど、今年も見てみようかと思った。

その後はストロークスのHARD TO EXPLAIN
本当にストロークスが生で観れるんだなと実感してとてもよかった。

そして次は紫である。

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沖縄の産んだ伝説的なヘビメタバンド。
10分くらいひたすらにセッションしていた。プログレッシブだ。早引きだ。となった。そこからボーカルが出てきた。
若い女性3人組はボーカル出てきた後タイミングでサッと外に出て行った。前方で観ていたのだが気づいたら周りに40〜50代が増えていた。「紫ってだれだー!」と騒ぐ若者。隣の人は直前のクラブ系音楽を流してたDJの方が楽しそうにしていたが、静かに顎に手を添えながら見守るおじさんたちが乙だった。俺も多分そっち側だ。
最後はディープパープルのハイウェイスター。
そっちの紫もやる。

終わった後に近くの若者に「これから全部DJですか?」と聞かれて「多分そうです!」と言ったら、ハイタッチされた。
もう少しくらいはバンドが受け入れられて欲しいと思った。

友達とやっと会えたが酔っ払っていて、あぁこれは飲まされているなと思った。
どうやら声をかけられた男の人たちからひたすら奢ってもらっていたようだ。
翌日になり解釈が変わるのだがこの段階では金がなくて飯を抜いていたので悔しくて仕方なかった。マジで俺なんかに奢ってくれるやつはおらん。
悔しくなって酒と五平餅だけ買った。
レッドアイ600円、五平餅400円。
基本ご飯は1000円していたので抑えた方だ。

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そこからテントに戻って、ナインティナインのオールナイトニッポンを流しながら就寝。
北村さんの知り合いを探していた人とはまた別の隣のカップルがエッチを始めないかひたすら聞き耳を立ててしまった。