中敷きがズレてくような日々

煩悩、戯言の半径30cm

浦和レッズのサポーターの応援はやはり凄かった 浦和レッズvs名古屋グランパス 2022.8.10 ルヴァンカップ 準々決勝 第2戦


ルヴァンカップ、ベスト8の2ndレグ
浦和レッズvs名古屋グランパスの試合に行った。

この日は浦和レッズのサポーターがおそらく待ちに待っていた声出し応援可能の日。
今のJリーグは実験的に試合を指定して、声出し応援対象試合を設定している。

浦和レッズはコロナのあおりを特に大きく受けたクラブ。
無観客試合が続いたり、観客人数に制限がかかって、純正なチケット代での売り上げ利益が大幅に減った。
浦和はどうやらそこでの売り上げ構成比が他のクラブより圧倒的に高かったようで、苦しんでいたらしい。

特に浦和のサポーターは国内の他のクラブと比較すると、ひとつ段違いで熱狂的。
その応援は他のクラブを圧倒するような声量と圧がある。
高校生のときに山梨から友達に連れられて、初めて埼玉スタジアムに行ったときも「これが地元のクラブだったら、どんな予定こじ開けて毎試合通ってしまうんだろうな」と思ったことを鮮明に覚えている。

一部ではあるのだが熱狂的と非常識のベクトルを履き違えているサポーターも他のクラブよりも多く、それゆえに問題を引き起こすことも多かった。
実際、自分もただ席に向かって、本線の道を通ろうとしただけなのに、演出の邪魔だったのか「そこ通るな!!」と急に怒鳴られた経験もある。しかも今年観に行った試合で。


先日、自分がコロナで行けなかったパリサンジェルマンとの試合でも、元浦和に所属していた選手が試合に観に来ていたらしいのだが、途中でサポーターにビールをかけられていて、周りの友達がブチ切れていたという話もあった。

これはその選手の前の席にたまたま座っていた僕の友達から聞いた。選手の目撃情報はあったが、ビールをかけられていたのはSNSで僕が調べる限りはひとつも転がっていない話だった。


試合後、浦和のサポーターエリアにパリのユニフォームを着ていったら「その服ぬげ!」と暴力を振るわれた。とTwitterで主張していた人が
「そんなことがあったら誰かが見ているはずだし、動画も撮られてるはずなのに、ひとつもない。そんなのは虚言だ!そもそもお前が悪い!」なんて言われていた。
なんなら昔にもSNS上で似たような事件があったらしく、それの再来だとすら言われていて、なかなか可哀想だった。

そもそもお前が悪い!は当人も認めていたことだし、大方はそうだとも思うが、SNSには大抵の情報が転がっている!と思い込んでる人が多すぎるなと感じた。

自分もそういうところが知らないうちにあったかもしれないと思って、我が身を見直したし、
SNSに転がってる情報は実際の物事の3割程度だ、と思って生きることにした。

ちなみにユニフォーム問題は、
個人的には声出し応援もないお祭りのような親善試合なんだから、そのくらいサッカー人気につながるかもと思えば許せよ。主催者もチケット販売のときにこっちは浦和側の席だから着てくのはダメだよ!とかそんなに強調はしていなかったし、その時点でダメだろう、とは思った。

実際、自分も現地に観に行けたときはsoccer junkyのマラドーナのTシャツを着ていくつもりだった。
前日に浦和レッズTwitterで(メッシがパリサンジェルマンにいるから)アルゼンチン代表を模したものもダメ、と書いてあってやっとダメだと気づけたくらい。
割と1日中スマホを見てしまう自分でもそのくらいギリギリで得られた情報だったので、それで縄張りを主張するのはさすがに無理があったのではないかと思う。

だからこそ、その2日後のガンバ大阪vsパリサンジェルマンの試合では
「ガンバ側でもパリのユニフォームを着てもOKだよ」という判断にしたのは素晴らしい英断だったと思った。
自分が好きなチームだからとかの贔屓目抜きにして。

実際ガンバサポーターの中には嫌悪感を示す人もチラチラ見受けられた。その気持ちも分からないでもないが。

 

話がだいぶ飛んでしまった。
当時書きたかったのだが、今書いたら何かの間違いで大きなことになるなと思って、書かなかったものが溢れ出てしまった。

 

コロナ以降、浦和のあの圧倒的な応援が見れなくなり、そんな一部の人の良くない面ばかりが取り沙汰されていた浦和のサポーター。

今日、久々に聞いた浦和レッズの声はすごかった。

選手のウォーミングアップのときはあえて歌を歌っていなかった。(名古屋の選手に先にブーイングだけはしていたのがとても浦和らしかった。)
おいおい、もったいぶるなよ〜!なんて思っていたが、選手入場前に歌い出した「We are REDS」

やっぱり浦和のサポーターはすごいな、と尊敬した。

このときのために取っておいていたのだろう。

さすがに2年以上ぶりの応援は気持ちの高ぶりもあったのか、いつもより少し上づっているように聞こえた。
7000人の声がまとまって聞こえているのに、上づってるのが分かるんだとなって、なんだかおもしろかったし、気持ちを感じた。

生声の力はかけがえない。

すごかったのはゴール裏だけではない。

自分はバックSA席という声は出せない指定席にいたのだが、周りにいるほとんどの人が手拍子をしていて、それがとても揃っている。

Jリーグの他のチームの試合を観に行ったことがある人は特に分かると思うのだが、ゴール裏以外の場所が応援の雰囲気になるということはなかなか難しい。
それは落ち着いて観たい層がいたり、自分みたいに特段そのクラブのサポーターではないのに観に来ている人がいたりしている。
その人たちがホームチームを応援する空気になるのはゴール裏の人たちに歌うのや手拍子をしてもらうよりも難しい。
ほんとのファンが一定数以上いてくれないと出来ないことなのだ。

これは浦和レッズというクラブや街が成せるものだと思った。


試合は浦和の3-0での完勝でベスト4へ進出。

最初は名古屋の前線からのプレスとマテウスの個の力に苦しんで、押され気味だった浦和だが、先制点を決めて試合を優位に進められるようになってからは名古屋のなす術は封じられていた。また名古屋の選手からは気持ちの折れや疲れがあったように感じた。

ついこの間の土曜日にもリーグ戦として、名古屋と対戦していた。そこで0-3で敗れていたので、浦和としては良いリベンジが出来たと思う。

試合後の幸せな空気感や一体感もとてもよく、今季は成績がなかなか上向かず、よく険しい顔を見せていたリカルドロドリゲス監督もバックスタンドに向けて、両手でガッツポーズをしていた。

今の浦和レッズは変革の時にいて、コロナ禍以降に入団した選手がほとんどになってきている。監督もそうだ。

勝った試合のあと、ピッチで選手が肩を組んで、サポーターと一緒に歌う歌がある。
ほんと久しぶりに見たが、それも圧巻だった。

スタジアムのモニターに選手たちが映っていたのだが、初めて体感する光景に感慨深けな顔をしているのもとても印象的だった。


正直、浦和レッズのサポーターのあの応援自体は日本サッカーの宝であり希望だと思うので、是非どうか、一部の非常識だけは出来る限りなくなってほしい。

そうならない限り、パワハラによって強くなっているチームみたいな気持ちが拭えなくなってくる前に。

 

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