ダウンタウンのクリアファイル
お昼にくら寿司に行った。
寿司が1番の好物なのだが、贅沢だと思いながらも邪念や少しくらいの嫌なことがあると我慢できなくなり行ってしまう。
同じ職場の後輩と一緒に順番待ちをする。
すると同じ職場で働いている主婦の人から連絡が来た。
どうやら以前辞めた子、僕も仲良くしていた人なのだが、その人と一緒にいるようだ。
「今から〇〇とくら寿司行くわ」と言ったら、「(辞めた人が)久々に会いたいらしいから行くね〜」と言われた。
多分あちらはご飯も食べ終わってるであろうに、くら寿司で待ち合わせるのなんて可能なのかなと少しいろんな意味で心配した。
番号が呼ばれ、机について、「びっくらポンをする」を迷わず押す。
どんな商品であっても僕は絶対にびっくらポンをするを押す。
ここを楽しめる人の方が絶対に自分とは気が合うと思っている。
何か楽しいことが起こるかもしれない可能性があるものを捨てるようなマネはしたくない。
くら寿司は最近、よしもとと手を組んでいて、千鳥がCMに出たかと思えば、ミルクボーイが、ついにはダウンタウンがアンバサダーに就任している。
ダウンタウンのクリアファイルが当たるというのを見た。
「これは欲しいな!!」と付き添ってくれてた後輩に言った。
どうやら通常のくら寿司キャラクターとかが入っているびっくらポン、その中での当たり、当たりの当たりとして用意されているみたいだ。
これは当たるまで通い詰めてしまいそうだなぁと心の中で思っていた。
食べ始めたら待ち合わせた2人がやってきた。久しぶり〜みたいなことを話しながら気づく。
連れてた後輩とその人は時期が被っておらず、まったくの初対面だった。
また後輩と主婦の人はまだ少し仲良くしたてくらいの距離である。
みんな俺の繋がりでここに集っているのかと気づいた。
それに気づいてからは、自分が喋らないとという思いと、食べ始めなのでもっと寿司を頼みたい気持ちと、ここに集わせてしまった恥ずかしさを同時に感じてキャパオーバーだった。
あまりろくな返事も出来ぬまま、自然と皿を5枚溜まっていてびっくらポンが動き出す。
日頃ならじっくり見ているが、早く食べないとの気持ち。目の前の寿司に気がいってた。
「あ、当たったよ」と言われ、転がるガチャガチャを見る。
中が見えないやつ。もしやと思い開けるとダウンタウンのクリアファイルの引換券だった。
「うおぉ!やった!!」
全ての話がそっちのけになった。
「え、これ何が当たったの?」途中から来た子が言う。
「これこれ!ダウンタウンのクリアファイル!めちゃいいだろ!これは」と机に貼ってある写真を指さす。
「え〜別にいらない(笑)」と言われ、まぁそうかと思った。
後輩は「すげぇ、やっぱ持ってますね」と言われたが別に欲しいわけではないようだった。
その後もダウンタウンのクリアファイルがもらえたなら!くらいの気持ちでお金など気にも留めることもなく食べ続け、折半さすの悪いなと思うと同時に気分がよかったのでお会計を全額払おうとした。
2893円のお会計で2000円払うとこまではまだよかったが、その後500円を財布の中に入れられてしまう。
結果、俺の方が得しちゃってないか?と気づくのは嬉々としてクリアファイルを裸で持ちながら池袋を闊歩しているときである。
職場に戻っても皆に自慢した。
「これよくないすか?!ダウンタウンのクリアファイル!」
社員さんに「よくないよ(笑)コナンとかとのコラボとかの方がいいじゃん」と笑われた。
その場に7人いたのだが、
「いらないよ」と示すのが4人
よかったねぇと微笑ましく見てるのが1人
先輩なんかはしゃいでんなぁ顔の子が1人
「ちょっと欲しい(笑)」と言ってくれたのが1人
頭の中では
「なにそれ!めっちゃいいじゃん!くら寿司で手に入るんだ!今度行ってみようかな」くらいにみんながなると思い込んでいたのだが、思ったよりも芳しくない反応で、価値って人によって全然違うなと思った。
今のダウンタウンのグッズなんて、公式グッズがないはずなので、なんばグランド花月の下の店とかでも買えないはずでめちゃくちゃ希少性を感じていた。
しかもダウンタウンだよ?あのダウンタウン、王者だよ、覇者覇者!と心がざわめいていた。
「仮に嬉しくても自分の中で閉まっとくくらいのものだよ」とも言われたが、少し黙ってはいられなかった。
でも自分が好きだから、それでいい。
価値って自分の中にあるものだなと思った。